一般社団法人 ソーシャルユニバーシティ
薬剤師生涯学習センター
CRC Japan
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認証番号G-20

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2024年度 自己点検報告書

2025年3月31日に薬剤師認定制度認証機構の「研修プロバイダー評価基準チェックリスト」に基づく自己点検を実施いたしました。その結果についてご報告いたします。



 

2025年7月吉日

各位

 

 ソーシャルユニバーシティ薬剤師生涯学習センターは、2025年3月31日に、薬剤師認定制度認証機構の「研修プロバイダー評価基準チェックリスト」に基づく自己点検を実施いたしました。その結果について、以下の通りご報告いたします。

 

1.目的と構想:事業の目的、構想等は妥当であるか?

 ソーシャルユニバーシティ薬剤師生涯学習センター(以下、G20という)の事業目的は、研修認定薬剤師制度 運用規定第2条に定める通りである。

 「G20は研修認定薬剤師制度により、薬剤師がチーム医療の担い手として医薬品の安全性を確保し、質の高い薬物療法を提供する知識と技能を習得することを支援するため、研修認定薬剤師の認定の対象となる研修(以下「研修」という)を実施し、 その認定を行うことを目的とする」

 G20は、コロナ禍を契機に、それまでの対面式による地域限定的な集合研修から、全国の薬剤師を対象としたデジタル化を主とする研修スタイルへと大きな変革を行った。今後も、環境変化にフレキシブルに対応できる研修プロバイダーとして、さらなる研修認定薬剤師の育成・輩出に取り組んでいく。

 

2.実施母体の性格:非営利、中立で、社会的に信頼されている組織であるか?

 G20は、2018年に公益社団法人薬剤師認定制度認証機構より、研修プロバイダーとして認定を受けた。事業の運営は非営利を目的としており、活動を通じて得られた利益は当センターの目的達成のために再投資され、個人や株主への分配は行われていない。また外部委員会(評価認定審査員会、研修企画委員会)を設置し、その場で意思決定を行うことで、中立性と透明性を担保している。社会的に信頼されている組織の裏付けとしては、SULS(Social University Learning System)の登録者数は5,804名(うち薬剤師4,128名)であり、年間の研修受講数は延べ8,912名、研修認定薬剤師数は今年度88名、累計で327名の実績がある。

 

3.実施運営のよりどころ:

 定款、寄付行為、規程等に基づいて、独立した運営がされているか?

 G20は、一般社団法人ソーシャルユニバーシティ(代表:宮田武志)とは独立した組織として、研修認定薬剤師制度 運用規定ならびに運用細則に基づき、非営利かつ中立的な運営を行っている。

 

4.運営の責任体制:責任者・運営体制が明確になっているか?

 G20の責任者・運営体制は、研修認定薬剤師制度 運用規定第3条および第4条、ホームページに記載の通りであり、明確となっている。

 

5.運営に関する広報:

 事業が適切に運営され、ホームページ等に内容が公開されているか?

 G20の事業は、規約と年間スケジュールに基づき適切に運営され、内容は随時、G20のホームページならびにSULSにおいて公開されている。

 

6.企画決定機関:

 (1)事業の企画・運営の決定を行う委員会等が設けられているか?

 G20の企画・運営は、研修認定薬剤師制度 運用規定第4条に定める通り、評価認定審査委員会および研修企画委員会を設置・招集・開催することにより、その場において各種研修会の企画・開催や単位認定などの決定を行っている。

 (2)各委員会における外部委員の割合は妥当であるか?

 G20の各委員会における外部委員は、研修認定薬剤師制度 運用規定第4条に定める通り、5 名以上10 名以内の委員をもって構成される。令和6年12月現在の外部委員数は、評価認定審査委員会7名、研修企画委員会6名である。

 

7.事業実施上の諸規定:

 事業の実施要綱(実施規定)、細則等が定められており、内容が適切であるか?

 G20の事業活動では、研修認定薬剤師制度の運用規定および運用細則、共催認定研修実施基準を策定し、年間スケジュールに従ってその適切性を検証している。それらに変更の必要性が生じた際には、外部委員会に諮り、内容の改訂とホームページへの公開を行っている。

 

8.責任体制:事業の実施責任者は適任であるか、連絡先等が明確になっているか?

 事業の責任体制は、研修認定薬剤師制度 運用規定第3条および4条に基づき、G20のホームページ内「薬剤師生涯学習センターの運営」において実施責任者ならびに外部委員会の委員名を公開している。

 現在の実施責任者は、センター長として8年間の実績(2016年12月就任)を有しており、当該事業に関する深い理解、豊富な学識、そして高い能力を備えていることから、適任であると判断している。連絡先はホームページ内「アクセス」に明記している。

 

9.研修・認定の対象:

 研修提供と単位付与は、全ての薬剤師に対して門戸が開かれているか?

 G20における研修提供と単位付与は、SULSを通じて、全ての薬剤師に対して門戸が開かれている。但し、研修受講にあたっては、SULSへの登録を必要とする。

 

10.共同運営*:

 事業を他の組織と共同で行うか、部分的に他の組織に委ねる場合はその妥当性

 G20が他の組織と研修を共催で行う場合、共催認定研修実施基準に基づき、研修企画委員会においてその妥当性を検討している。共催研修は次の条件を満たしている場合としている。

 ①地域医療・地域保健予防等に貢献することを目的とした研修であること。

 ②公開性、公平性、中立性、公益性の精神に則り、適切な運営が行われていること

 ③生涯学習センター主催で研修運営ができない事由があること。

 ④他の生涯研修プロバイダーや団体より共催の申し出があった研修であること。

 一方、G20の役割の一部を担う研修実施機関の認定については、研修認定薬剤師制度 運用細則 第2条に基づき、評価認定審査委員会に諮り、そこでの審議結果をもとにセンター長が最終決定している。それらの機関が行う研修内容については1件審議にて、研修認定薬剤師制度 運用細則 第3条に基づき、センター長が妥当性の判断を行っている。これまでに日本薬科大学と一般社団法人ファルマプラスの認定を行ったが、2024年度は、これらの機関による研修開催申請はなかった。

 

11.これまでの実績:

 研修の提供、単位の付与、認定証発給数に関する実績は適切であるか?

 2024年度における研修の提供数ならびに単位の付与数、認定証発給数は次の通りである。

  研修の提供数:

     ライブ研修:14件(主催12件、共催2件)

     オンデマンド研修:227件

  単位の付与数:8,197件

     ライブ研修:828件

     オンデマンド研修:7,369件

  認定証発給数:88件(新規42件、更新46件)

 

12.事業内容の特徴*:事業内容に何らかの特徴があるか?

 G20が主催・共催する研修は、基礎・臨床・実践コースの3つがあり、それらの特徴は次の通りである。

 ①基礎コース:大学教員や医療専門職等を講師として、医学・薬学領域の基礎的な知識と技能を学ぶ研修である。医療倫理から医療DXまで、広く話題を集めて随時実施している。

 ②臨床コース:医療の最前線で活躍する臨床医等の医療専門職を講師として、各種疾患の病態や薬物治療等の最新の知識と技能を学ぶ研修である。年間11回以上を実施している。

 ③実践コース:大学教員や医療専門職等を講師として、少人数でのスモールグループディスカッションやロールプレイなどにより、EBMなどの実践的な知識と技能を学ぶ研修である。年間2回以上を実施している。

 

13.地域的な特徴*:地域的に見た存在価値等、特徴があるか?

 G20が行う研修事業は、地域に限定した活動ではなく、地域的な存在意義や特徴は有していない。

 

14.人的配置:事業活動の担当者、事務取扱者等の数、配置は妥当であるか?

 G20の事業活動を行う担当者は、研修認定薬剤師制度 運用規定第3条に定める通り、2024年12月現在、センター長1名、副センター長1名、研修運営委員長1名、その他職員5名が配置されている。

 

15.財政状況:事業継続について財政的に不安はないか?

 2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の事業会計は、収入4,086,986円、支出2,977,282円であり、収支差益は1,103,704円の黒字であった。なお、2024年度の事業会計報告は、6月の合同委員会にて報告の予定である。

 事業継続について、将来的な薬局経営環境の不確実性はあるものの、現時点での財政的な不安はない。受講者の一層の獲得に加え、受講者満足に向けた工夫・改善を行うことで強固な財務基盤を構築していく必要がある。

 

16.研修の形態:提供する研修の形態・方法は適切であるか?

 G20が提供する研修開催形態には、ライブ研修とオンデマンド研修の2つがあり、原則として臨床・実践コースはライブ研修、基礎コースはオンデマンド研修としている。ライブ研修については、臨床コースはZoomを活用したオンライン研修を基本とし、実践コースでは対面による集合研修を行っている。2024年度のライブ研修の開催形態別の実績は、オンライン研修10件、対面による集合研修3件、ハイブリット1件であった。

 

17.研修課題、講師の選定:

 研修課題、講師(指導者)の選定方法、選定結果が適切であるか?

 G20では、3年間の研修方針に基づき各年度のプログラムを立案しており、最新のトピックスや受講者ニーズなどを踏まえ、研修課題と講師の選定を行っている。選定結果の適切性については、研修企画委員会による審議・評価を経た上で、承認された研修のみを提供している。

 

18.研修の事前評価体制:

 単位を付与する全ての研修について事前評価体制があるか?

 G20では、単位を付与する全ての研修について、研修企画委員会においてプログラムの適切性の事前評価を行っている。

 

19.研修プログラム:一定の構想のもと、ある程度の長期計画が設定されているか?

 G20では、提供内容の偏りをなくすため、あらかじめ分野とテーマを設定し、長期計画として3年間の研修方針に基づき各年度のプログラムを策定している。具体的には、基礎コースは9分野、臨床コースは18分野、実践コースは1分野を設定し、それらに合わせた年間計画を立案している。

 

20.プログラムの質:研修の質は標準の水準をクリアしているか?

 G20の研修実施に際しては、以下の点を確認・実行し、研修の質の水準をクリアするよう努めている。但し、現段階では、④受講者による研修評価の検証・フィードバックが実施できていない。

 ①各研修の目標を明確化する。

 ②研修テーマとしての妥当性を確認する。

 ③受講者とのインタラクティブな要素(十分な質疑応答時間の確保、グループディスカッションなど)を取り入れる。

 ④受講者による研修の評価を検証し、フィードバックを行う。

 

21.受講者への付与単位:

 研修内容(種類、時間)と付与単位の関係は妥当であるか?

 G20では、単位の基準を研修認定薬剤師制度 運用規定第7条に定めており、すべての研修について90分を1単位とし、1日4単位を上限として運営している。

 

22.複数水準の設定*:レベルの異なるいくつかの研修が提供されているか?

 G20では、受講者のニーズに合わせ、基礎・臨床・実践コースの3つのレベルの異なる研修を提供している。

 

23.研修の事後評価体制:

 研修内容の事後評価が行なわれ、研修計画にフィードバックされているか?

 G20では、研修修了後の受講者アンケート(質問項目:①講座内容について理解できたか?②新しい学びはあったか?③今後の業務に活かせるか?④自由記載)による事後評価を行い、それらの評価結果を研修計画にフィードバックするよう努めている。

 

24.受講経費:受講料は適切であるか?

 G20の研修受講料は、研修認定薬剤師制度 運用規定第8条に定める通り、受講者個人の研修と特定の医療施設に勤務する受講者の研修について、それぞれの料金体系を設定・明示している。

 

25.習得度評価:受講者の習得度評価が何らかの方法で行なわれているか?

 G20では、受講者の習得度評価としてレポート提出あるいは試験を義務付けており、その記載内容と試験成績を研修運営委員長が確認している。レポートについては、3項目(①講座内容に関すること②新しい学びに関すること③今後の業務に活かせること)に関してそれぞれ100字以上の記述を求め、記載内容が不十分な場合は再提出を依頼している。2024年度の再提出数は309件(うち再提出後単位付与113件)であった。また試験については80点以上を合格としている。なお、レポート提出期限は、ライブ研修については研修修了後2日以内、オンデマンド研修については受講修了後としている。

 

26.受講法、プログラムの広報:

 研修の受講法、プログラムの広報が事前に十分なされているか?

 G20の研修開催案内は、ホームページとSULS登録者へのダイレクトメールにて行っている。ホームページの開催案内には、受講法を含め、講座名、要旨、開催日時、申込期限、レポート提出期限、講師名、認定単位数、会場、受講料、講師略歴などを記載している。案内開始時期は、ライブ研修(臨床・実践コース)では、概ね2カ月前としている。

 

27.学習到達目標:研修受講による到達目標が示されているか?

 研修の到達目標は毎回、ホームページの開催案内の要旨欄に明示している。

 

28.試験・試問等(習得度等)*:受講者に試験、試問等が行なわれているか?

 ライブ研修とオンデマンド研修では、単位付与の条件として、レポート提出を義務付けている。また試験が有用と判断したオンデマンド研修の一部では、試験問題を作成し、受講者に試験を課している。

 

29.受講者の意見徴収:

 研修に対する受講者の感想、クレーム等を把握する方法が明示されているか?

 受講者の感想、クレーム等については、毎回の研修実施後のアンケートならびに年1回のSULS登録者アンケートに記載欄を設け、それらを把握するよう努めている。

 

30.テキスト、教材等:

 研修用のテキスト等、適切な教材が準備され使用されているか?

 ライブ研修においては毎回、遅くとも研修2日前までに、受講者に対してハンドアウト(講師のスライドPDF、事前学習教材など)を送付・提供している。

 

31.研修の実施場所・環境条件:

 研修に使用する場所、環境、設備等は適切であるか?

 G20が研修で使用する場所は、ソーシャルユニバーシティ新宿オフィス(東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビルディング45階「SUルーム」)を拠点としており、ライブ配信ならびにオンデマンド研修用の動画収録を行っている。環境・設備面としては、パソコン、カメラ、配信・収録関連の機材を設置している。対面式による集合研修を行う場合は別途、会議室を借り、研修を行っている。

 

32.継続学習の推進*:生涯研修の習慣づけのための方策がとられているか?

 G20では、SULSに年間プログラム(臨床コースのみ)を掲載し、また毎回の開催案内においてはSULS登録者全員へのダイレクトメールを通じて、受講者の生涯研修の習慣づけを行っている。

 

33.認定証の申請手順:認定証の申請手順が明示されているか?

 認定証の申請手順については、研修認定薬剤師制度 運用規定第12条および13条に定めており、G20のホームページにおいて詳細な申請手順を明示している。

 

34.認定の適否評価体制:認定の適否を判定するシステムは適切であるか?

 認定の適否判定までの流れは、①G20担当職員による認定資料の作成と事前確認、②評価認定審査委員による適否判断、③評価認定審査委員長による決裁、となっており、適切であると判断している。

 

35.認定の条件(単位取得基準):

 認定取得に必要な単位数の規定は妥当であるか?

 認定取得に必要な単位数の規定は、研修認定薬剤師制度 運用規定第9条に定める通りであり、妥当であると判断している。

 

36.認定条件(付帯学習)*:

 特定の学習課題についての単位取得を認定条件としているか?

 G20では、現段階において、特定の学習課題(倫理など)に関する単位取得を認定条件とはしていない。

 

37.他プロバイダーの単位取扱い:

 他の研修プロバイダーから取得した単位の取扱いが明示されているか?

 他の研修プロバイダーから取得した単位の取り扱いは、研修認定薬剤師制度 運用規定第10条に明示されている。

 

38.受講記録の方法

 (1)取得単位の記録法(記録簿、手帖、集計票等)が明示されているか?

 取得単位の記録は、受講者個人ごとに、SULSの「受講履歴」より閲覧することができる。受講履歴には、受講日、講座名、受講形式、修了時単位、受講進捗、受講終了日が明示されている。

 (2)研修の遡及性は確保されているか?

 現段階では、研修の遡及性(過去の研修内容の再評価、研修の効果測定、改善点の特定など)は確保されていない。

 (3)ポートフォリオによる学習記録を推奨しているか?

 現段階では、ポートフォリオによる学習記録は推奨していない。

 

39.単位以外の認定条件:

 認定取得に特定団体への加入、特定団体の与える資格等を要求していないか?

 G20では、認定取得のために特定団体への加入、特定団体の与える資格等の要求は行っていない。

 

40.認定条件(試験・試問)*:認定の条件として試験、試問が課せられているか?

 G20が開催する研修では、単位付与の条件としてレポート提出を義務付けているが、試験が有用と判断したオンデマンド研修の一部では、試験問題を作成し、受講者に試験を課している。

 

41.認定等に関する経費:認定および更新のための経費は妥当であるか?

 認定および更新のための経費は、研修認定薬剤師制度 運用規定第18条に定める通りであり、妥当であると判断している。

 

42.更新の規定

 (1)認定の更新に関する妥当な規定が定められているか?

 認定の更新に関する規定は、研修認定薬剤師制度 運用規定第9条および10条に定める通りである。

 (2)他の研修プロバイダーの認定証更新の取扱いが明示されているか?

 他の研修プロバイダーの認定証更新の取扱いは、研修認定薬剤師制度 運用規定第10条に定める通り、明示されている。

 

43.認定取消し条件:認定の取消し条件が明示されているか?

 認定の取消し条件については、研修認定薬剤師制度 運用規定第17条に記載の通り、明示されている。

 

44.個人情報の管理:

 認定証取得者の記録(個人情報の管理等)が適正になされているか?

 認定証取得者の記録は、提出された紙媒体の申請書から必要な情報をエクセルに転記し、その一覧をセキュリティが確保されたフォルダーに保存している。紙媒体については、これまで320名分の記録をファイルし、鍵のかかるキャビネで保管していたが、秘匿性の高い個人情報(薬剤師名簿登録番号など)を取り扱っていることより、転記が終わった紙媒体については随時、破砕処理し、廃棄を行うよう徹底している。

 SULSに関わる個人情報の管理は、当該システムを開発したSATT(Sundai Advanced Teaching Technology:駿台グループ)が管理するデータベース内に、クラウドサービス情報セキュリティ方針に基づき保管されている。