超高齢社会を迎えた本邦では、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)を構築することが推進されている。これを促進するためには病院、診療所、薬局が三つ巴となり、効率よく漏れ落ちないよう情報共有をしなければならないが、具体的にどれだけ進んでいるのであろうか。
当院ではその打開策として、2014年10月より院外処方箋に臨床検査値の表記を開始した。副作用回避を目的とした16項目の固定検査値と、禁忌投与および過量投与の回避のために医薬品別検査値を表記した。その結果、これまで疑義から漏れていた禁忌処方や腎機能に応じた用量調節が可能となった。本講義では、臨床検査値の活用ポイントをはじめとし、疑義照会および服薬指導の実践例を示しながら明日から薬局で活用できるように解説する。